新入社員お悩み相談所 マナー編8
マナー編8
お客様にお茶を出すときのマナーって?
「お茶をお出しする」行為は、お客様を「おもてなし」するという意味がこめられています。
ですから、お茶はなるべく早く出した方がいいですね。
お客様が席についたら即座に出す、くらいのつもりでいてください。
そうですね。そこでまずは基本中の基本、お茶の淹れ方について紹介しましょうか。
お茶を冷めにくくするため、茶碗にお湯を入れてあたためておきます。急須にはお茶の葉とお湯を入れ、1分ほど蒸らすとよいでしょう。 茶碗のお湯はお茶を淹れる前に捨てておきます。 | |
お茶の濃さが均等になるように、少しずつ順番に注いでいきます。お茶の量は茶碗の7分くらいを目安にしましょう。 | |
茶碗と茶托は別々にお盆に乗せます。 |
順番に淹れていくのは常識だよね~。…でも、何でお茶と茶托を別々に運ぶんだろう? どうせ一緒に出すなら最初から組み合わせちゃった方が早いのに。
そうすると、歩いている間にお茶がこぼれて茶托が濡れちゃうでしょ。お茶でビショビショになった茶托を出すなんて格好悪いじゃない。
あ~なるほど~! じゃあ実際にお茶をお出しするときは、どうやって出せばいいんですか?
ドアをノックし「失礼します」と声をかけて入室します。入室の際に軽く会釈をするとよいでしょう。 | |
お茶をお出しする準備は、サイドテーブルかテーブルの下座側(入り口側)の端に盆を置いて行います。 | |
お盆の上で茶碗を茶托の上にセットします。 | |
できるだけお客様の右側から「どうぞ」と両手で静かに差し出します。お客様がお話し中の場合は、声をかけず目礼のみにとどめましょう。 茶碗に絵柄がある場合、絵柄をお客様に向けてお出しします。 |
お茶を出し終わったらドアの前で静かに一礼して退出…となるわけだけど、お客様をお1人で待たせている状態なら「もう少々お待ちください」などの言葉を添えると丁寧ね。
ただ、打ち合わせなどが始まっている場合は決して話を中断させるようなことをしてはダメよ。静かにお茶をお出しして、静かに去ること! 基本はとにかく「お客様の邪魔にならない」ことなんだから。
そう、お茶を出される身としては「さりげなく来て、さりげなく去る」人が一番ありがたいですね。
時々、セオリー通りになんとかお客様の右側からお茶を出そうと悪戦苦闘している社員を見かけますが、後ろでうろうろ迷われるより、それなら出しやすい左側からそっとお茶を出してもらった方がスマートだと感じます。
出される方はお茶が右から出されたか左から出されたかなんて、さほど気にはしていませんからね。
セオリー通りに行うケース、セオリー通りに行わない方がいいケース、その判断は難しいところだけどね。
次に一般的な席次とお茶をお出しする順番、それとセオリー通りに行わない方がいい例を紹介するから、参考にしてみてね。
お客様の後ろに通るスペースがない。 |
無理矢理狭いスペースに入ろうとすると、逆に迷惑になります。 |
お客様が2人以上並んで座っていて、右側から出すことができない。 |
無理矢理お客様の間に割り込んではいけません。 |
お客様が1人、2人3人4人…たくさんいる。 |
社内の人間がその場にいる場合「自分達で回すから」と引き受けてくれることが多いです。その厚意に甘えないのは、かえって迷惑になります。 |
最初にも言いましたが、お茶をお出しするということは「おもてなし」をするということ、ただお客様をご案内してセオリー通りに日本茶を出すより、お客様をご案内する際上司にさりげなく「日本茶でよろしいでしょうか?」と聞く気配りがあるとなお良いと思います。
もしいらっしゃったお客様が大のコーヒー党ならば、上司もコーヒーをオーダーするでしょうし、もしお忙しいお客様が挨拶だけしたいようなケースなら、お茶は出さなくていいと指示してくれるはずです。
ただお茶を出すだけじゃなく「おもてなし」をするためにはどうしたらいいか、そのためにはどうすることが一番スマートであるか、自分で考えて行動して欲しいですね。
なるほどなるほど、ためになるなぁ。ためになるついでに、暖かいお茶以外の飲み物の出し方も教えてくれませんかねぇ?
もう、自分で考えろって言われたばっかりなのに…。まぁいいわ、以下にざっと説明します。
冷たいお茶・飲み物の出し方
コースターを敷き、その上にグラス・コップを置きます。暑い日は熱いお茶より冷たい飲み物の方が喜ばれます。 | |
コーヒー・紅茶の出し方
カップの取っ手は右側にして、ソーサーと一緒に両手でお出しします。スプーンやミルク、砂糖はソーサーの手前に置きましょう。 | |
お茶菓子・おしぼりの出し方
お茶菓子はお客様から見て左側に、おしぼりはお客様から見て右側に置きます。 |
ふ~ん、ただ「お茶を出す」といっても色々なんだぁ。お客様の状態、季節、その日の天気まで考慮して、そのとき一番喜ばれるものを出さないと「おもてなし」にならないし、かといって、あんまり邪魔してもいけないし…。結構難しいんだなぁ。
たかがお茶汲み、されどお茶汲み、学ぶことはたくさんあるはずですよ。
なるべく積極的にお茶汲み・お茶出しをするよう心がけてみてください。
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