新入社員お悩み相談所 実務編1
実務編1
報・連・相、ちゃんとやってますか?
「報・連・相」というと、ビジネスマンなら誰もが一度は聞いたことのある言葉だと思いますが、皆さんはしっかりこの「報・連・相」を実践できていますか?
そもそも、なぜ「報・連・相」が必要なのか、その理由を考えたことはあるでしょうか。
「報・連・相」って「報告」「連絡」「相談」のことですよね。なぜ必要なのかって…だって部長がやれって言うから…仕事を進めるうえで絶対必要だからって…。
う~ん、「上司がやれと言ったから」では、社会人としてあまりに悲しい答えなんですけどねぇ…まぁそれは置いておきまして。
実は「報・連・相」は、あなた達以上に上司や仕事の指示をしている人にとって大変重要なことなのです。
業種は色々あれど、現場には必ずみんなを取りまとめるリーダー的役割の人がいます。多くの企業ではそれを役職で示しているわけですが、そのリーダーが個々の人達に仕事を割り振ったとき、割り振った人間がみな好き勝手に動き、しかも何を考えているのかわからない…このような状況では、仕事を取りまとめる方もまともに取りまとめることができませんよね。
だから「報・連・相」を通してみんなから今何を考え何を行っているのか教えてもらわないと、上司も状況判断ができないってわけだ。
状況判断ができないってことは、次の一手を正確に打てなくなる。だから上司は「報・連・相」をするよう言っているんだよ。
まぁ、新入社員の頃から上司の立場を考えて仕事を理解することは難しいかもしれないけどな。人に指示を出すようになれば「報・連・相」の本当の大切さがわかるよ。
なるほど…。確かに、みんながみんな何をやってるのか全くわからなかったら怖いよなぁ。次の仕事も渡せないもんね。
それに「報・連・相」をすれば、その時点で自分が間違えたことを考え、行っていたとしても、報告した時点で上司が間違いを指摘してくれます。
例えば1週間、上司に報告せずに間違ったまま仕事を進めていたら、その1週間が全くの無駄になってしまいますよね。せめて3日前に報告してくれれば、その3日間は軌道修正ができたのに…といった具合に、仕事の効率化の観点から言っても、「報・連・相」は有効なのです。
このように、良い効果こそあれど、悪い効果はないのが「報・連・相」なのですが…。どうも最近は、これすらまともにできない社員が増えてきたように思いますねぇ。
う~ん…。でも忙しそうにしている上司に何度も報告に行くのは、かえって仕事の手を止めてしまいそうで迷惑になっちゃう気がするんですよね。それに、機嫌が悪そうな上司のところに行くのはやっぱりためらってしまうし…。
確かに、通る報告も通らないような「間が悪いとき」はあります。本来は機嫌や仕事量で気分が激しく浮き沈みする上司もよくないのですが、相手も人間ですからね。顔色をうかがって報告する我慢も必要でしょう。
ただし、それを言い訳にして報告をダラダラと先延ばしにしてはいけません。
とくに悪い報告、事故報告などは相手の状況を考慮するよりも、まず相手にその情報を伝えることが最優先ですから、そこは忘れないようにしてください。
は~い! わかりました! …でも報告って、いざ上司を前に話そうとすると何から話していいのか悩んじゃうんですよね~。
ビジネスの報告の基本は、「結論から話す」ことと「簡潔明瞭」であること、この2点です。
よくあるのが、細かな状況を伝えようと、ひとつひとつ起こった出来事を順番に説明していき、最後に「だから、こうなってしまったんです」と報告するケース。結論が最後な上に、その結論を聞くまでに細かな報告が多すぎます。
うまい報告をしたいのなら、必要な情報だけを簡潔にまとめ、まず結論を伝えましょう。
そうすれば、相手も聞きたいことだけを質問するはずです。質問もなければ、すぐにでも「ではどうしようか」と次の話に進むことができますよね。センスのある人はこういう報告をするものです。
そっか。聞く相手が即座に状況を判断できないような報告じゃ、時間も無駄にかかるし、相手に対しても不親切ですよね。かといって情報が多すぎても混乱させちゃうし…難しいなぁ。
あと気になるのが、コミュニケーションがうまくいかなかったときや誤解が生じたときによく聞く「私はそう言ったつもりはなかったのですが…」とか「そんなつもりはありませんでした」などの『つもり』という言葉。
この言葉は「自分はそう言ったつもりはなかったのだけれど、相手に正しく伝わらなかった」という意味なのでしょうが、聞き方によっては「自分はちゃんと言ったから、正しく理解しなかった相手に責任がある」という風に聞こえてしまいます。
人間ですから、解釈の違いから誤解が生じることは多々あります。けれどそこで「そのつもりはなかった」と言うだけではなく、なぜ相手にそのような誤解をさせてしまったのか、そこを考えなくてはなりません。「そのつもりはなかった」のせりふだけでは、ただの言い訳でしかありませんからね。
ついつい言いがちな言葉ですが、この言葉ひとつで、上司の評価が決まってしまうかもしれません。気をつけてください。
そっか…「報・連・相」って奥が深いんだなぁ…。こまめな報告と、うまい報告をできるように努力しないと…!
最近は、どの会社でも「報・連・相」の徹底が叫ばれています。しかし逆に言えば、どの会社でもこの「報・連・相」を上手にできる人材が少ないということです。
そのようなご時世ですから、少し気をつけて良い「報・連・相」ができるよう努力をすれば、おのずと上司の目にもとまるかもしれません。
誰だって怒られたり、文句を言われることは嫌だと思いますが、別に怒られても文句を言われてもいいじゃないですか。報告せずにもっと大きな事故に繋がるくらいなら、一時怒られることくらい大したことはないですよ。そういう心構えで「報・連・相」を実践できる社会人になってくださいね。
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